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<目的>
・乳癌の乳房内における広がりの診断
乳癌は腫瘤として触知する湿潤癌の部分と、この湿潤部分から連続する乳管内進展を伴うことが多く、乳房温存手術の選択基準として、術前に乳房内の広がりを診断することが重要である。この乳管内進展の診断にMRIは有効である。
また、癌が乳管内にとどまり、腫瘤を形成しないことが多い非湿潤癌の診断にもMRIは有効である。
・術前化学療法の効果判定
局所進行癌に対して施行される術前化学療法の効果判定に、最近はMRIが用いられる。

<適応>
乳癌における適応
・乳房温存術施行前
・腫瘤非触知乳癌などで、マンモグラフィや超音波検査などの、他の検査法で診断がはっきりしない場合
・術前化学療法の効果判定など

<禁忌>
乳癌における禁忌
・体内の電子機器(ペースメーカ、人工内耳ほか)
・脳動脈クリップ(種類を確認、MRI検査可能な製品なら問題はない)
・メークアップ用品、入墨(強磁性体が含まれている顔料があり、熱傷する可能性がある)
・金属製の医療材料(最近は対応可能な製品であることが多いが、非常に古いものに関しては確認が必要)
・造影剤過敏症の患者(乳房のMRI検査は造影剤を用いる。造影剤の投与の禁忌となるのは造影剤に対して過敏症の既往のある患者である)
・気管支喘息、重篤な腎障害(造影剤の投与は原則禁忌であるが、投与する場合は慎重を期する必要があり、検査前に患者本人に十分な説明を要す)

<方法>
①乳房専用コイルを用いる装置の場合は、腹臥位で乳房を下垂させて撮影する。
ダイナミして(患側の腋窩リンパ節腫大の可能性を考慮)検査を開始する。
②検査に要する時間は20~30分である。
トンネルのような装置の中で腹臥位の体位をとることが必要となるので、患者にあらかじめ説明して理解を求める。
閉所恐怖のある患者は、検査続行が不可能となることがある。
また、MRI検査では大きな音が出るのでヘッドホンを装着して音楽を流している。

<検査時のケア>
・MRI検査室には強い磁場がかけられているため、検査時はアクセサリーや金属の付いている衣服や下着は必ず外すように指導する。
・MRIは腹臥位で30分間を要するため、体位をとる際に苦痛な点を申告してもらうよう説明する。