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●目的
オストメイト(ストーマ保有者)のストーマのストーマリハビリテーションにあり、単に局所のケアにとどまってはいけない。

●定義
「ストーマと合併症の障害を克服して自立するだけではなく、ストーマ保有者の心身および社会生活の機能を回復させること。
また、それを促進する技術と方法。」とされている。

1、術前ケア
<術前オリエンテーション>
ストーマ造設は、ボディイメージと排泄経路、排泄方法が変わり、著しく自己のイメージに影響を与える。
排泄障害という、汚く暗いイメージを与える障害に劣等意識を持つ患者も多いので、ストーマを正しく理解し、受容をしてもらうために、術前オリエンテーションは非常に重要である。
このオリエンテーションには、必ず患者のキーパーソンや家族に同席してもらい、正しく理解してもらうことが必要である。
また、患者がオリエンテーションの内容を後で再確認できるように、印刷物(指導パンフレット)を提供するようにする。

⑴オリエンテーションの内容
①充分な手術について説明。(医師のムンテラをどの程度理解し、手術の必要性が理解されているかを確認する。)
②ストーマとは何かについて説明。
③ストーマの管理の必要性についての説明。
④ストーマサイトマーキングの必要性の説明。
⑤社会復帰可能であること、および退院後の日常生活についての説明。
(食生活、入浴、衣服、仕事、スポーツ、旅行、性生活など)

⑵説明に利用できるもの
①ガイドブック、スライド、ビデオテープなどを用いる。
②ストーマモデルやストーマ板を用いたデモンストレーション。
③必要に応じて、オストミービジターを利用する。
④ETナースやWOCナースの協力を得る。

<ストーマサイトマーキング(ストーマの位置決め)>
術前に患者が自己管理しやすく、合併症の少ない位置を決めることができる。
ストーマサイトマーキングは、患者が術前オリエンテーションを受け、ストーマ造設の必要性を理解してから行う。
また、マーキングは医師(執刀医)と看護師と患者が一緒に行うことが望ましい。

⑴ストーマサイトマーキング時の確認事項
①ストーマを造設する腸管の部位とストーマの形状
どの腸管を使用するかにより、おおよそのストーマ造設部位が予測される。
②放射線の照射部位(術前、術後)
放射線照射部位の皮膚は、基底細胞像が破壊され、皮膚障害を生じやすいので、可能なかぎり照射部位を避ける。
③既往の手術歴(癒着の有無など)
癒着があると、ストーマを造設する腸管が十分引き出せず、マーキング位置に造れないことがある。
④体重変化(健康時と術前を比較)
術前に体重減少が著しい場合、退院後体重が増えて、術前と腹壁と腹壁の状況が変化することがある。このような変化を予測可能な限り、考慮に入れる。
⑤患者の生活背景(職業、衣服、日常生活でよくとる姿勢など)
職業が大工や電気工事の人は、工具を吊り上げるベルトの位置を避け、工具が当たらない位置を考慮する。
着物を着る人は、帯締めと帯の縁が当たらない位置、水泳をする人は、水着に隠れる位置を考慮する。
⑥ダブルストーマ造設もしくは複数のストーマ造設
尿路ストーマ、もしくは機能するストーマの排泄物が液状の方を優先してマーキングを行い、両方の装具が重ならないように両ストーマの距離を9cm以上離す。
将来、装具のベルトの使用が必要になった時、片方のストーマにベルトがかからないように、両ストーマの位置を水平線上にならないようにする。
排泄物の性状を考慮して、なるべく尿路ストーマのほうが、消化管ストーマより上方にくるようにする。
⑦補助具の使用の有無
車椅子やコルセットなどの補助具を使用している場合は、可能な限り患者が補助具を使用した状態で、マーキング位置を確認する。

⑵ストーマサイトマーキングの原則
位置決定の基準としては、アメリカのクリーブランドクリニックの基準がよく活用されている。
しかし、これは標準体重の場合であるので、当てはまらない場合もある。例えば、使用される腸管や腹部の脂肪のつき方により、臍より上や脂肪層の頂点でない位置にマーキングすることもある。
①臍より低い位置
可能性が少なく、比較的一般の平面が得られやすい。衣服の上からも目立ちにくい。
②腹直筋を貫く位置
ストーマ傍ヘルニアの予防のため。
③腹部脂肪層の頂点
座位でも、ストーマが脂肪で隠れにくい。
④皮膚のくぼみ、しわ、瘢痕、上前腸骨棘の近くを避けた位置
ストーマ装具が安定し、排泄物がもれにくい。
⑤本人が見ることができ、セルフケアしやすい位置
これらの基準を、患者にとっての優先順位を考慮しながら満たしていく。

⑶必要物品
・マーキングディスク(小児6.0cm,成人標準体重用7.0cm,成人肥満者用7.5cmのマーキングディスクが販売されているが、二品系装具の面板を代用してもいい。)
・水性ペン
・マーキング方法によって、油性ペン、26~27G針、ビオクタニン液のいずれか。
・記録用紙

⑷マーキングの手順
①仰臥位で、正中線と臍の下縁を通る水平線を引く。
②腹直筋外縁に印をする。
③肋骨弓、上前腸骨棘に印をする。
④仰臥位でマーキングディスクが安定する位置を探し、仮の印をつける。
⑤座位、前屈位など体位を変えて、しわやくぼみ、瘢痕の場所を確信しながら、マーキングディスクが安定する位置を探して仮の印をつける。
⑥立位と座位で、患者が印を見て触れられるか確認する。
⑦ベルトラインと放射線照射部位を確認する。
⑧職業など患者の生活背景を考慮する。
⑨最終の位置を決定し、消えないように油性マジックなどをマーキングする。
⑩マーキングした位置、問題点、患者の反応などを記録する。位置の記録はスケッチをしたり、ポラロイド写真を利用する。

<パッチテスト>
皮膚保護剤による皮膚障害を予防するために、術後使用する予定の数種類の皮膚保護剤について過敏性を調べる。
⑴貼付方法
数種類の皮膚保護剤を1cm²程度に小さく切り、間隔を開けて上腕内側部に貼付しテープで固定する。
それぞれの皮膚保護剤辺縁に油性マジックでマークする。
⑵貼付中の注意
判定中、入浴は避け、シャワー浴程度にしてもらう。
⑶判定
48時間後に剥離の刺激が消える約30分程度後に判定する。
そして、3~4日後、再度判定する。

●術直後のケア
この時期のケアの目的は、ストーマの早期合併症の予防と適切な対処、創感染の予防、セルフケア確立に向けての円滑なスタート、ボディイメージの変化に伴う精神的サポートなどがあげられる。
⑴術直後のストーマの観察
①ストーマ
ストーマの種類、位置、サイズ、高さ、色、浮腫の有無と程度、出血の有無
②ストーマ粘膜皮膚接合部
縫合の状態、離開の有無と部位、出血の有無と程度、感染の有無
③ストーマ周囲皮膚
発赤、発疹、びらん、潰瘍、浸出液、掻痒感、疼痛
④排泄物
排泄と排ガスの有無、排泄物の量と性状、混入物の有無
⑤装具の装着状態
皮膚保護剤の溶解の程度、排泄物の漏れや潜り込みの有無
⑥精神状態
患者の訴え、表情、態度、反応
⑦手術創
出血の有無、感染徴候の有無、浸出液の有無と程度
⑧全身状態
手術時の状況、発熱、疼痛、腹部状態、血液データ

⑵ストーマケアの実際
<必要物品>
①ストーマ装具
②止め具(クランプ)または輪ゴム
③粉上皮膚保護剤(パウダー)または練状皮膚保護剤(ペースト)
④ストーマゲージまたはノギス
⑤マジックまたはボールペン
⑥はさみ
⑦ガーゼまたは柔らかい布
⑧石鹸または皮膚清拭剤
⑨ティッシュペーパー
⑩ゴミ袋

<装具交換の手順>
①面板を剥がす。面板を引っ張るのではなく、皮膚を押しながらゆっくり愛護的に剥がす。
②剥がした装具の皮膚保護剤の溶解程度、排泄物の潜り込みの有無を観察する。
③ストーマ周囲皮膚とストーマ近接部を石鹸などを用いて洗浄する。
④ストーマサイズを計測する。
⑤面板をストーマサイズより少し大きめにカットする。
⑤皮膚が乾いていることを確認し、装具を貼る。装具の向きは、床上安静時は体軸に垂直に貼用し、離床が進めば体軸に平衡に貼用する。
⑥必要に応じて、ストーマと皮膚の隙間をパウダーやペーストで埋める。
⑦排出口をクランプなどで止める。

<術直後の装具選択>
①皮膚保護剤付きの装具
・カラヤ系:溶解しやすいため、排泄物はなくても毎日交換が必要。
・合成系:カラヤ系より耐久性があるので、数日装着可能である。イレオストミーや緊急手術で、術直後から排便が排泄される場合は、合成系が好まれる。
②ストーマや排泄物の観察が容易なように、透明の採便袋状のもの。
③排ガスの有無の確認のため、ガス抜きフィルターの付いていないもの。
④下部開放型かドレナブルタイプのもの。
⑤防臭効果のあるもの。
⑥装着時に創痛が少ないもの。
⑦ベルトを必要としないもの。

<ストーマ創の管理>
ストーマ近接部は、感染などの合併症がなければ、消毒する必要はない。ストーマ周囲の縫合糸は、術後7~10日目には装具交換に合わせて医師に抜糸してもらう。吸収糸を使用している場合も、吸収糸が完全になくなるまで時間を要し、残存している間は異物となり炎症を起こし要因となるので、術後7~10日目には抜糸してもらう。

<正中創の管理>
ストーマと正中創が近い場合でも、装具の皮膚保護剤には静菌作用があるので、感染のない創であれば皮膚保護剤を貼付してもいい。
排泄物による正中創の汚染を防ぐために、漏れる前に装具を交換、漏れやすい部位を補強、適切な交換時期を設定する。

●術後早期に見られるストーマ合併症の原因とその対策
①ストーマ壊死
<原因>
・腸管や腸管膜の程度の緊張による血流障害。
・腸管圧迫による循環障害。
・手術手技・塞栓などによる血流遮断。

<対策>
・ストーマ粘膜に注射針を刺し出血の有無を確認する。(医師が行う)⇒プリックテスト。出血がある場合は、完全な壊死にはいたっていないのでそのまま経過観察する。
・ストーマのなかにスッピッツを挿入し、ライトでストーマ粘膜を観察する。内部が赤く血流障害がない場合は、静脈の還流障害で壊死にはいたらないのでそのまま経過観察する。
・内視鏡でストーマ内腔を観察する。(医師が行う)
・腹腔内に陥没、脱落の可能性があれば再層設する。部分的な壊死ならば再造設はまぬがれるが、ストーマの変形や狭窄になる可能性があり、管理困難の原因になることがある。

<看護ケア>
・ストーマ粘膜の観察。(色調の変化など)
・粘膜壊死部位は感染を起こしやすいので、十分洗浄を行った後、パウダーなどを使用して汚染を防ぐ。壊死組織は自然に脱落することが多いので、積極的なデブリートマンは行わないが、壊死組織が多く感染のリスクが高い場合は、医師に依頼しデブリートマンを行う。

②ストーマ粘膜皮膚接合部の離開
ストーマの皮膚縁が離開すること。
<原因>
・低栄養、原疾患(糖尿病、ステロイド剤の使用など)による縫合不全。
・ストーマ粘膜皮膚接合部の感染、ストーマ周囲膿瘍によるもの。
・ストーマ壊死によるもの。
・縫合部の過度の緊張によるもの。

<対策>
・必要時は抜糸を行う。(医師が行う)
・必要時は壊死組織のデブリートマンを行う。(医師が行う)

<看護ケア>
・離開創の観察。(部位、程度、排膿の有無など)
・感染がある場合は、ドレナージを優先する。(生食ガーゼを充填し、頻回に交換。ペンローズドレーンを挿入し、排膿する場合もある。)
・感染がない場合は、離開創に排泄物が入り込まないようパウダーやペースト、アルギネート創傷被履材などを充填し、装具を装着する。
・感染がなく、離開部を覆う場合は、装具を早めに交換する。(短期交換可能な装具選択)

③ストーマ周囲膿瘍
ストーマ周囲にできた膿瘍。
<原因>
・術前の腸管内処置が不十分。
・腸穿孔などの汚染手術。

<対策>
・ストーマ周囲の皮膚層を中心に、膿瘍のドレナージをはかる。
・全周性に波及している場合は、縫合部を解放させる。
・腹壁深部の膿瘍に対しては、再開腹手術後にストーマ再造設。

<看護ケア>
・ストーマ周囲皮膚の観察。(発赤、腫脹、硬結・疼痛、排膿の程度)
・膿瘍部のドレナージをはかる。(生食ガーゼを充填し、頻回に交換。ペンローズドレーンを挿入し、排膿する場合もある)

④ストーマ粘膜出血
ストーマ粘膜またはストーマ皮膚縁からの出血。
<原因>
・ストーマ造設中の不十分な止血。(主に皮下や脂肪組織から出血)→①
・物理的刺激により、ストーマ粘膜が損傷することによる出血。→②

<対策>
・原因①に対しては装具を剥がし、圧迫止血後、ただちに医師に報告する。出血部位を焼灼、あるいは結紮による止血をはかる。
・原因②に対しては圧迫止血し、すぐに止まるようなら心配ない。

●看護ケア
・装具の面板などで再出血させないように、ストーマ孔を少し大きめにカットして、隙間はパウダーなどで充填する。
・装具交換の際のスキンケア時に、粘膜や皮膚縁を傷つけないように注意する。
・採便袋内に少し空気を入れて、こすれによるストーマ粘膜の損傷を防ぐ。

⑤ストーマ脱落
ストーマが皮膚縁から離開し、腹壁筋層よりなかに落ち込んで状態。
<原因>
・壊死、膿瘍、粘膜皮膚離開によるもの。
・固定の縫合糸がはずれる。(炎症を伴っていることが多い)
・腸管の過度の緊張。

<対策>
・ストーマ再建術

●セルフケアに向けての援助
患者の受け入れ状況に合わせてすすめていく。
①患者がストーマを見ることができる。
②ストーマを触ることができる。(装具の上からでもいい)
③ガス抜き、排泄物の処理ができる。(トイレ歩行が可能になったら開始する)
④看護師のストーマケアを見学して、準備物品、装具交換とスキンケアの手順が理解できる。

●退院前の社会復帰ケア
この時期のケアの目的は、患者がセルフケアを確立し、日常生活および社会生活に復帰できることがある。
⑴装具交換指導
患者自身に装具交換を開始してもらう時期の目安は、正中創とストーマ創の抜糸が終わり、創が治癒する時期(術後10日頃)であるが、ストーマに合併症などがなく、患者の心理的条件が整ったことを確認してから始める。
家族やキーパーソンもケアに参加するよう促し、ストーマを理解してもらいよう心がける。

<セルフケアによる装具交換の実際>
①湯で湿らせた布や剥離剤を使用しながら、装具を愛護的に除去する。
皮膚の方を指で押しながら剥がしていくと、剥離刺激が少ない。
②石鹸、あるいは清拭剤でストーマ周囲皮膚を洗浄する。ストーマや皮膚の状態を観察する。
③除去した装具の皮膚保護剤の溶解の程度、排泄物の潜り込みの有無を観察する。
④ストーマのサイズを測定する。(縦×横×高さ)
⑤ストーマサイズより、約2mm大きめに面板をカットする。
⑥面板を装着する。
⑦採便袋をフランジにはめ合わせる。

⑵日常生活の工夫と留意点についてのアドバイス
<食事>
原則的に、ストーマを造設したからといって食事制限はない。
・よく噛み、バランスのとれた規則正しい食生活をおくってもらう。
・食事のなかには、ガスや臭いを発生しやすいもの、消化の悪いものなど特性があるもので、患者自身が食品の特性を知ってコントロールできるようにアドバイスする。

<排便・ガスの臭いについて >
排泄やガスそのものの臭いを消すことはできないことを理解してもらう。
・便通の調節により、以上な排便・ガスの臭いを抑える。
・臭いを強くする食品を控える。
・必要に応じて消臭剤を使用する。(経口剤、採便袋内に入れるもの。採便袋の上からあてがうものなど)
・防臭効果のある装具を使用する。
・装具装着に臭いが生じて気になる場合は、原因を探る。
・装具交換の時期は適切かどうか。
・採便袋の排泄口や二品系装具のフランジ(はめ込み部分)を汚されたままにしていないか。
・採便袋を洗って再使用していないか。
・採便袋のガス抜きフィルターが根詰まりしていないか。

<下痢をした時>
下痢をした時には、通常より水分を摂取する必要があることを理解してもらう。
・消化の良い食品を摂取する。
・何が原因だったか患者自身が振り返り、原因となったものを次回から気をつけることも大切である。

<入浴>
ストーマは傷ではないこと、ストーマの排泄口からお湯が腸内に入ることはないことを理解してもらい、入院中に装具をはずしてシャワー浴を経験してもらう。
・イレオストーマの場合は、排泄物が常に出てくるので、装具をつけて入浴してもらう。
コロストーマの場合は、装具をはずしても、つけたままでも良い。
・入浴後は、袋の裏打ち部分やテープ部分の水分をよく拭き取る。
・温泉や銭湯では、必ず装具を装着する。
・排便の多い時間帯を把握して、入浴時間を調節する。

<衣服>
ストーマの粘膜に血流障害をきたすような圧迫や、粘膜が損傷されるような摩擦にさえ気をつけてもらえば、手術前と同じようにおしゃれができる。
・ストーマの位置、大きさによってウエストラインが変わる場合は、洋服のサイズ変更、サスペンダーの利用。
・ギャザーやタックの入った服を着たり、薄い装具をつけると衣服の上からのふくらみが目立たない。
・採便袋のビニールが直接肌に触れないよう、布製カバーや下着の工夫をする。

<仕事・学校>
体力が回復して、ストーマ管理に自信がついたら、復帰が可能である。
復帰するために手術をしたことを理解してもらう。
・学校や職業に、装具交換一式を置いておくか携帯する。
・装具がはずれた時、装具交換のできる場所を確保しておく。(保健室、医務室、障害者用トイレなど)

<スポーツ>
ほとんどのスポーツは可能であるが、ストーマに強い衝撃を与えるような場合は、始まる前に医師の指示をあおぐ。
・発汗が多い場合は、皮膚保護剤の吸収力の限界を超える場合があるので、そのような場合は交換間隔を早める。
・運動を始める前に、採便袋内の排泄物は処理しておく。

<外出や旅行>
積極的に外に出てもらい、活動の幅を少しずつ広げてもらう。
・装具交換一式(面板はカットしておく)とビニール袋、ウエットティッシュを携帯する。
・旅行の時は、通常の交換分より余分に装具を持参し、飛行機での移動時は着ない持ち込み荷物のなかにも装具を入れておく。
・飛行機に乗る時は、気圧の変化で採便袋が膨れることがあるので、離着時の前に採便袋の中を空にしておいたり、ガス抜きフィルター付きの装具を使用する。
・旅行時は環境の変化や食生活の変化のより、排便状況が変化することがあることを説明しておく。
・洗腸をしている場合は、飲水できない水は洗腸に使用できないので、飲料水を使用するように指導する。
・旅行時の相談窓口として、JOA(日本オストミー協会)やIOA(国際オストミー協会)の連絡先を確認しておく。

<生活や出産>
術前から配偶者を交えて話し合い、術後のカウンセリングが重要である。
・女性は、術後、膣内の分泌物の低下や位置変形などから、性交痛を生じることがある。
分泌物の低下に対しては、潤滑ゼリーなどを使用する。位置変形に対しては、性交時の体位の工夫が必要である。
・男性では、手術時に神経や血管が障害され、術後勃起できないことがある。泌尿器医師に相談し、障害の程度に応じて薬物、補助器具の使用を検討してもらう。
・妊娠時は、お腹の膨らみによってストーマサイズが変化したり、ストーマ粘膜浮腫を起こすことがあるので、できるだけ、ストーマ外来のある施設で専門看護師にかかっておく必要がある。
・性交時の装具の工夫は、パートナーに排泄物が見えないよう不透明なものをつけたり、肌と装具が接触したとき不快感のないよう、パウチカバーを利用するなどがある。
・性交前に、採便袋内は空にしておく。
・性交時の体位は、ストーマを損傷しないよう過度な圧迫や摩擦を避ける工夫が必要である。

<装具の購入方法>
患者に合う装具が決定したら、患者自身に代理店や病院の売店から購入してもらう。
・退院後間もないときは、装具変更が可能なように、最小単位で購入する。
・余裕を持って購入する。(必ず2週間分は手元に準備しておく)
・使用している装具の名前は、サイズなど(できれば製品番号)を控えておく。
・身体障害者手帳による交付券の手続きを説明する。
<管理方法>
装具は冷暗所、風通しの良い所に保管してもらう。
・できれば購入してから1年以内に使いきる。(皮膚保護剤の材質いじのため)
・装具は、パッケージから出さずに材質維持のためそのまま保管する。
・洗腸用具は、排泄物を洗い流し、陰干ししてから保管する。
・ペーストには、ほとんどアルコールが含まれているので、使用後はしぼり口のペーストを拭き取り、キャップをきちんと閉める。

<使用後の装具廃棄方法>
採便袋内の排泄物をトイレに流してから、新聞紙に包むか不透明の袋に入れて、外見上汚染と分からないようにして、住居地域の分別ゴミの支持にしたがい廃棄してもらう。

<身体障害者手帳の交付手続き>
ウロストーマ、イレオストーマ、上行結腸または横行結腸のストーマは、術後すぐに申請手続きが可能である。
下行結腸、S状結腸に造設されたストーマは、術後6ヶ月を経過してから申請できる。
一時的なストーマ造設の場合は、申請はできない。