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訪問看護師の役割

1)在宅生活の安全・安楽を保持するためのアセスメントの役割
安全な状態で在宅生活を送ることが出来ているのか、また苦痛を感じさせる問題が存在していないかどうか、つねに見守る関わりを訪問看護で行うことにより、在宅生活をよりよい状態で過ごすことができる。
入院生活から在宅生活に移行した段階では、心身の状態が改善し、安定している。
しかし訪問看護の長い関わりの経過では、安定した状態が再び悪化したり、もともと進行性の疾患を持っていた場合は、病状が進行する。
安定しているのか、問題が発生しているのか、訪問看護師が主体的にデータを収集し、収集したデータを判断する役割がある。

2)危機への対応―危機発生の予測・予防・早期発見・早期対応―の役割
訪問看護師は幅広い医学や看護の知識を持っているので、本人や家族にとって未知の問題であっても、それを判断する力をもっている。
病状や障害の状態を常に認識しながら、その状態から発生するかもしれない「危機的変化」を予測することが、在宅生活を継続するうえでかかせない。
現段階では大きな影響が出ていない問題でも、それを放置するとどのような危険な状態が発生する恐れがあるのかを考え、危機の発生を未然に防ぐ対策をとることが、訪問看護師としての大切な役割である。
医療機関から離れた生活の場では、深刻な問題が発生したときにすぐ対応することは困難である。
これ以上問題を放置するとどうなるのか、予測する力を持っているかどうかが訪問看護師に問われる。
「在宅生活の継続を脅かす危機的問題」は、疾病や障害などの身体的問題だけではない。
精神的な問題、人間関係の問題、家族の介護力の問題、社会的な問題、暮らし方に関係する問題なども、在宅生活の継続に対して危機をもたらす。
現在だけを見るのではなく、過去の出来事も考えながら、今後へも視点を向けて、多面的にアセスメントを行い、危機の予測・予防・早期発見・早期対応という役割を果たすことが大切である。

3)可能性を発見する役割
入院による疾病や障害にたいする集中的治療のために、残されている機能が低下している場合が少なくない。
在宅に移行した後でも、回復する可能性のある機能を見つけ、無理のない範囲で機能回復への努力をすることで、予測以上の可能性を引き出すことができる。

4)家族の介護に対する保証・サポートを与える役割
適切に家族を指導することにより、家族はどんどん成長する。
病人の気持ちをよく理解できる家族は、反応を確かめ、どのような方法が病人の苦痛が少ないか分かるので、いろいろなケアの方法を上手に実施できるようになる。
しかし家族は、自分の家族の介護の仕方が適切なのか不安をもちながら生活している。
核家族が多くなっているため、家族は不安を話したり、ストレスを理解してもらえる他の家族が身近にいないことが多い。
訪問看護師が訪問時に、介護方法が適切であることを保証し、また負担が多い中で介護を続けている努力に理解を示すことにより、家族は介護を続けることができる。

5)他職種メンバーを導入しチームアプローチをマネジメントする役割
どのような職種に関わってもらえば、状況を改善することができるかを考え、自分が所属している組織の枠を超えて、他に協力を申請することがある。
また、福祉領域のサービスを活用し、家族の介護負担軽減や心身の機能改善を図ることもある。
それらの職種と訪問看護師が常に問題や目標を共有して関われるよう、訪問看護師がチームアプローチをマネジメントする役割をもっている。