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変形性関節症のうち最も頻度の高いもので、日本人の生活様式である畳の上に座るという習慣が影響していると考えられる。
股関節と異なり、一次性のものが多く、中年以降の特に肥満した女性に頻発する。
特殊な例として、膝蓋骨の関節軟骨が退行変性を起こして破壊される病態が青年期に見られることがある。
原因は不明であるが、変形性関節症とは異なり、これを膝蓋軟骨軟化症という。

症状
膝関節の腫脹・疼痛を主訴とし、関節の可動域制限はそれほど著しくないが、最大伸転位をとることが出来ず、運動時の軋轢音、関節裂隙の圧痛がみられる。
高度になると、内反膝あるいは外反膝の変形が起こるが、わが国では内反膝変形が多い。

治療
太りすぎの人は体重を軽くするように指導するとともに、大腿四頭筋の筋力増加、温熱療法がすすめられる。
治療は消炎鎮痛薬の内服、副腎皮質ステロイド剤やヒアルロン酸製剤の関節内注入などの保存療法が一般的である。
以上の治療法に抵抗し、軟骨破壊が内側に偏しているときは、高位脛骨骨きり術が行われる。
高度の関節破壊がある場合には人工膝関節全置換術が行われる。

膝関節の手術を受ける患者の看護
手術後の看護

手術後、膝関節はまず固定されるが、その固定の方法や、それにともなって起こる障害を考慮して患者の管理を行う。
術後は、合併症をおこさず、早期離床が可能で、安全に移動動作が自立できるように援助していく。

■観察のポイント
1、神経、循環障害の有無:ひこつ神経を圧迫する肢位となっていないか
2、疼痛がコントロールされているか。
3、治療目的に応じた固定方法がとられており、固定による苦痛や皮膚の障害がみられていないか。
4、感染の兆候はみられていないか
5、手術後の運動計画は創傷部位と術式に見合ったものか

■看護目標
1、疼痛がコントロールされ、早期に離床できる。
2、転倒せずに安全に移乗・移動動作が自立できる。
3、感染を起こすことなく創が治癒する。
4、安全にADLが拡大できる

■看護活動
●患肢の固定と肢位の保持
手術直後はRobert-Jones包帯法で固定されるが、術後1日目で解除し、弾性包帯と術直後装具に交換する。
包帯がゆるんだら巻きなおすが、皮膚に接している包帯はそのままにする。
包帯上に血液などの滲出液が見られたら医師に報告し、適切な処置をとる。
患肢の腫脹によって副子のとめひもが圧迫因子となったりするので注意する。
固定はたいていは弾性包帯による固定と併用されるが、固定がずれたりしていないか観察する。

●患肢の挙上と肢位の保持
患肢はビーズ枕などを使用して挙上するが、外旋位とならないように注意する。
ビーズ枕で挙上するときは大腿と下腿に大きめで安定性のよいまくらを挿入して、ひこつ頭部を圧迫しないように注意する。
屈曲位で装具固定された患者は、肢位に慣れるまで腰痛や筋肉の疲労痛など、さまざまな訴えをするものである。
懸吊具を使って起き上がるなど、苦痛を軽減するような工夫をする。
肢位はしばしば点検し、指示された正しい肢位を維持する。

●神経・循環障害
肢位と同時に、母指の背屈が出来るかどうか、血液の戻り具合、あたたかみ、麻痺の有無、足背動脈の拍動の有無、腫脹の程度などを時間ごとに点検する。母指の背屈が弱く、足背、とくに1~2趾間の知覚鈍麻があれば、ひこつ神経麻痺が疑われる。
外旋位をなおし、ひこつ頭部を浮かせた肢位とする。ギプスによる圧迫であれば、圧迫部位の開窓を行って神経への圧迫の有無を調べる。

●疼痛
手術創部の痛みに対しては、医師の指示によって鎮痛薬を使用する。
腫脹や皮膚温の上昇を伴い、静脈の走行に沿った疼痛や、足指を背屈させるとひふく筋部に生じる痛み(ホーマンズ徴候)があった場合は、下腿深部静脈血栓症が疑われる。

●運動訓練
手術後患者が麻酔から覚醒したら、足関節・足しの自動運動を開始させる。
翌日からは大腿四頭筋の強化訓練と下肢の挙上運動も始めさせ、筋力に応じて負荷を与えていく。