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はじめに●心臓カテーテル法は、カテーテルを心臓や大血管に挿入し、心機能の評価や疾患の重症度(冠状動脈の狭窄度の判定)、心臓の形態についての情報を得る検査方法である。
検査は侵襲を伴うため、検査前に十分説明を行い、インフォームドコンセントを得ることが必要である。

(1)アセスメント
循環動態・バイタルサインの観察●検査室に入室後は、バイタルサインを測定し、心電図モニターを装着する。
検査を実施するにあたっては、動悸や胸部不快感などの自覚症状の有無、血圧や脈拍数、心拍数、不整脈の有無を確認する。
カテーテル検査では、動静脈の穿刺を行うため、穿刺部位から末梢の循環状態の確認を行う。

身体的準備状態の確認●検査を行うにあたって必要な項目について確認を行う。
通常は、病棟や外来の看護師から検査室の看護師へと伝達がなされる。
現病歴や既往歴、主訴、服薬状況、いままで行われた検査値での異常の有無(貧血や肝・腎機能異常の有無)、検査承諾書へのサイン、感染症の有無、薬物アレルギーの有無、装具や義歯の有無については必ず確認を行う。

合併症の有無●検査に伴って起こりうる合併症として、とくに動脈穿刺をおこなった場合には、穿刺部位からの再出血や血腫の形成、循環障害の危険性がある。
また、まれにではあるが、重篤な合併症として、血栓にともなう梗塞が発生する危険性がある。
全身状態、穿刺部位以下での循環状態を注意深く観察し、異常の早期発見につとめる。
また、造影剤の使用に伴うアレルギー症状が出現することもあり、皮膚状態を観察し、掻痒感などの訴えがないかを確認する。

精神的状況の確認●カテーテル検査は患者への侵襲が大きく、また検査中は同一体位での安静保持や、指示に応じた体位の変換を行う必要があり、さらに検査後も止血のために臥床による安静が必要となる。
このように検査に伴う身体的な拘束感が強いため、検査への不安や恐怖の訴えの有無を確認する。
安全に検査が行われるよう、体動の制限や指示に対しての理解が得られ、まもることができる状態であるのか確認を行う。

(2)看護活動
検査への理解●検査前には、あらかじめ医師から検査に向けての説明が行われ、患者は理解したのちに承諾書に記名を行う。
検査について不安や不明な点はないか確認し、気持ちの表出をはかる。

身体的な準備●検査に向けての身体的な準備を行う。必要に応じて穿刺部位の除毛を行う。現病歴や既往歴、主訴、服薬状況、検査値の異常の有無(貧血や肝・腎機能異常の有無)、感染症・薬物アレルギーの有無について確認する。
検査に向けて、検査衣への着替え、検査台への移動、体位の固定が行われる。
1つひとつの処置に対して説明を行い、羞恥心や安全に留意しながら行う。

全身状態の観察●バイタルサイン、自覚症状、心電図モニターからの不整脈や心拍数・波形の異常の有無、末梢動脈触知の状態について確認する。

検査中の援助●静脈路が確保されたのち、検査が開始される。検査中は患者に声をかけ、必要に応じて、現在の状態や行われている処置についてわかりやすく説明を行う。
心電図モニターおよびバイタルサインの変動に留意し、異常の早期発見につとめる。
異常所見が認められたなら、ただちに医師に報告する。
また、転倒や転落などを引き起こさないように、安全に体位の固定・変換が行われているかに注意する。

検査後の観察●検査終了後は、穿刺部位は圧迫止血を行う。
止血状態を確認し、ひきつづきガーゼ、場合によっては砂嚢や弾性絆創膏で圧迫を行う。
穿刺部位の疼痛の有無、穿刺肢の皮膚、爪の色、冷感、神経障害の有無、さらに除脈や気分不快、血圧低下など、検査に伴う血管迷走神経反射の有無を確認し、異常がみとめられる場合はただちに医師に報告を行う。
また、再出血を起こさないように、穿刺部位の安静を保つ。
医師の指示により、検査後の数時間は仰臥位あるいはセミファーラー位にて安静を保ち、穿刺肢は屈曲などの動作を行わないように患者に説明する。
下肢から穿刺を行った場合、検査後数時間は床上排泄となるため、穿刺部位の圧迫を保持して努責をかけないように注意する。
水分や食事は状態が安定したのち、指示により開始される。
造影剤を使用している場合は、排泄を促進するため、水分制限がないときには水分摂取を促す。