Pocket

《ドレーン管理》
①胃管カテーテル
・腸嬬動の有無、排ガスの有無によって術後1日目に抜去する。

②後腹膜腔ドレナージ
・後出血の有無をみる大きな指標となるので、自己抜去、自然抜去などの事故がないように固定を確実に行う.

③膀胱留置カテーテル
・術当日から翌朝にかけて、膀胱・尿道との縫合不全防止のために、大腿内側に牽引固定を行う。
そのため固定の確認、固定下肢の屈曲防止に注意する。
・再挿入は困難なので、自己抜去のないように注意する。

《術後早期の合併症》
①後出血
・バイタルサインの変動、ショック症状、創部ドレーンの排液量、性状の観察を行う。

②肺合併症(沈下性肺炎・無気肺)
・術後早期から体位変換、深呼吸を行い、肺の虚脱を防止する。
・口腔ケアや超音波ネブライザー、バイブレータを用いて気道の清浄化をはかり、痰の貯留を防止する。

③尿路感染、創感染
・尿の流出状況、性状、ドレーンの性状を観察する。
・輪液、飲水による水分補給を行う。
・尿道口の清潔を保持するため、1回/日陰部洗浄を行う。

④疼痛
・術直後から術後1日日まで、硬膜外チューブによる鎮痛薬の持続投与が行われるが、創痛、膀胱刺激症状に対しては必要に応じて鎮痛薬が投与される。

⑤縫合不全
・吻合部の尿漏れ、リンパ漏を早期発見できるように、創部ドレーンおよび尿の量・性状を観察する。

⑥静脈血栓症(肺梗塞症)
・術中から離床まで、下肢に弾性ストッキングを着用し、血液のうっ滞を予防する。

⑦排尿障害
・術後1週間で膀胱造影を行い、漏れのないことを確認してから膀胱留置カテーテルを抜去する。
・カテーテル抜去後の尿失禁に対しては、骨盤底筋体操のパンフレットを用いるなどして、指導する。
・尿器をベッドサイドに置いたり、尿採りパッドやペニスクレンメを使用するなど、物品の有効利用も考慮する。
・尿失禁の程度に応じて、抗コリン薬(塩酸オキシブチニン、塩酸プロピベリン)が開始される。
・尿失禁は一時的であり、ほとんどは時間が経てば消失していくことを術前から説明しておく。

《術後晩期の合併症》
①吻合部狭窄
・前立腺全摘患者の約5%に術後半年から1年ころ、急激な尿閉で発生する。
しかし、内尿道切開術で改善する。

《退院指導》
・以下の項目を説明して、不安の除去をはかるとともに、退院後の自己管理ができるように指導する。
①筋肉や皮膚を切断するため、創周囲の違和感が術後1年ほど続くことがある。
②尿路感染予防のため、1000~1500mL/日の水分を摂取し、正しい排尿習慣を心がける。
③尿漏れや頻尿は、日が経過するにつれて改善するが、予防のために骨盤底筋体操は毎日継続する。
症状が軽減しないときは、外来受診時その旨を伝える。
④尿量・尿の性状に留意する。血尿が強い場合や急激な尿量低下・排尿困難をきたすときは、すぐに受診する。
⑤定期的に外来受診を行い、指示された薬物(ホルモン薬など)は確実に内服する。
⑥性機能の低下に対しては、術式にもよるが薬物療法で改善する場合もあるので、医師に相談する。
⑦過激な運動、腹圧のかかる作業、長時間の立位・坐位、性生活は、医師の許可が出てから行う。
また、排便時の怒責は血尿を誘発するので、食べ物や水分で便通のコントロールをする。
効果がないときは医師に相談する。
静脈から点滴をしない。