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看譲の実際
PTCAの前処置
PTCAのための前処置は,以下の事項である。
(1)患者への治療の導入,オリエンテーションを終了する。準備や検査の方法、術後の経過,安全性などについて説明する。
(2)駆出率(EF),CK(CPK),血液凝固機能,電解質,BUN,クレアチニン 心電図,胸部Ⅹ線写真などの基本的データを得る。
(3)家族に対して治療の内容・経過,危険性,長期的な経過などの説明を行い,承諾を得る。
外科的介入や緊急CABGが必要な可能性も含めて家族に説明する。
(4)患者および家族への説明内容は,まずPTCAは1回ではすまないことがあること,つまり術後1週間目,1か月日,1年目におこりやすいことを説明しておく。
(5)インターペンションの段階は,PTCAのみの準備でよい場合,あるいはPTCAとIABPの補助循環の準備が必要な場合がある。
EF<20%の場合には,麻酔医とともに人工心肺が使用できるように準備し,さらに心臓外科医とともに緊急CABGができる準備を整え,指示待ちの状態にしておくことが望ましい。
(6)前日からの準備:剃毛,循環動態のチェック,足背動脈の触知
(7)術前鎮静薬の与薬で,緊張をほぐして治療が受けやすい状況を保つ。

PTCA施行後の看護
アセスメント
(1)胸痛・不整脈などの自覚症状の有無
(2)バイタルサイン,心電図モニタリングから不整脈と虚血の状態,また循環動態(ときにスワンーガンツカテーテルによる)から心不全の状態
(3)カテーテル挿入部の出血・血腫,足背動脈の触知,皮膚の色や温度差
(4)血液凝固機能検査を行い,プロトロンビン時間(PT),部分トロンポプラスチン時間(PTT)
(5)尿量,尿の性状
(6)一定時間仰臥位を保つことによる苦痛と捧痛の程度:背部痛・創部痛・神経麻痺の有無
(7)治療結果やその後の経過についての精神反応
(8)治療結果やその後の経過についての家族の反応

看護目標
(1)発症前の生活に戻ることができ,生活の満足が得られる。
(2)PTCA施行後の体液バランスの失調の早期発見と予防
(3)急性冠閉塞など合併症の徴候の観察とその予防
(4)不整脈の出現や出血の観察とその予防
(5)患者と家族が安心して治療の経過を受け入れる。

看護活動
(1)冷汗・胸痛に対し,その原田が再開塞によるものか機能的スパスムス症状によるものかを観察し,対処する。
(2)カテーテル挿入部位の出血や血腫・血栓症を予防・観察し,体動制限をまもる。
(3)パイタルサイン・心電図モニタリング・血行動態モニタリング・尿量などによる不整脈やショック状態を観察し対処する。
(4)カテーテル抜去後は,カテーテルの太さに準じて4~15時間のベッド上安静臥床を実施する(安静時間の長さの目安は,5Fカテーテル挿入の場合は4時間,6F-6時間,7F-12時間,8f‐12時間,9F-15時間)。
(5)苦痛の緩和。一定の体位による圧迫,神経麻痺に対して,身体的にも精神的にも苦痛の軽減をはかる。
(6)精神反応への対応
(7)医師が家族へ結果や経過の説明を行ったあと,家族の質問や疑問に答えながら,患者との面会を家族とともに行う。
(8)退院後の生活管理について,個人の生活様式に合わせた指導を行う。
  ①社会生活への適応:仕事への復帰は胸痛がなければ退院後1~2週間で可能である。
  ②生活習慣の改善,冠危険因子の除去
  ③継続的な外来受診の重要性,服薬と副作用の学習